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Tips meridians

提供:Board Game Arena
2023年11月23日 (木) 21:09時点におけるCheshirecatJP (トーク | 投稿記録)による版 (Translated from English version. Main original contributor: Shinuito)
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メリディアンは、対戦相手の石をすべて捕獲することを目標とする殲滅(せんめつ)ゲームです。ゲームによっては、相手の石を積極的に捕獲しようとすることになる場合もあれば、相手が自分のパス(路)を失うことによって、自己消滅するのを待つことになる場合もあります。メリディアンには(手番をゆずるという意味での)パスはないので、ゲームが進行するにつれてボードは石で埋まっていき、どちらかが投了しないかぎり最終的にはどちらかが自分の石をすべて失うことになります。

メリディアンの戦略はまだ進化を続けていますが、ここではあなた自身が戦略を考えるために役立つようなキー・アイディアをいくつか挙げてみたいと思います。


石の捕獲

殲滅ゲームである以上、相手の石を捕獲する方法を知ることは重要です。石や石のグループは、別の友好的な石との間に、直線の空き交点からなるパス(路)を持っていれば生きていることができます。相手の石を捕獲するためには、相手のこのようなパスを自分の石で遮断する必要があります。

相手のパスをいくら遮断しても、相手は新しい石を別の場所に置いて新たなパスを作り、攻撃された石を救うだけだと思われるかもしれませんが、それが常に可能であるとは限りません。以下にその例を示してみましょう。

Meridians capture 1.png

上の例から、石の捕獲についての以下の2つの考えを導くことができます。


最小スペース

1つ目は、石のグループが捕獲されないでいるためには、一定のスペースが必要になるということです。つまり、たがいに独立した2つの石または石のグループの間に、1つの空き交点がパス(路)として存在できる余地が必要です。上の例では、ボードの左端から1歩はなれた位置にある黒の石の列は、新たにパスを作るための石を置くスペースが残されていなかったのです。

下の図は、ボードの中央付近で捕獲が行われた別の例です。

Meridians capture center.png


ダブルアタック

相手の攻撃によって遮断されたパスが、2つの石またはグループのどちらにとっても唯一のパスであるような場合、双方を救うにはそのどちらにも新たなパスを与えるような位置に新しい石を置かなくてはなりません。このような位置が常にあるとは限らないので、そのよう場合しばしばどちらかの石またはグループを見捨てなければならなくなります。

そのようなダブル・アタックの例をもう一つ以下に示します

Meridians capture 2.png

白の2つのグループ両方にパスを与えられる位置がないため、白はこのどちらかのグループを見捨てなければならなくなりました。


テリトリーとリビンググループ

ゲームが進むと、対戦相手のグループをこれ以上捕獲することができない状態になることがあります。そのためゲームの後半に備えて、対戦相手が石を置くことができないスペースを自分のために確保しておくことが重要になります。このような一方のプレイヤーしか石を置くことができないスペースは、そのプレイヤーのテリトリーと表現するのが良いでしょう。

下の例では、右側の黒のテリトリーを青で、左上の白のテリトリーをオレンジで示しています。テリトリーの大きさを数えるには、プレイヤーがテリトリーを作っている自分のグループを自滅させないようにしながら置くことができる石の数を数えます。黒のテリトリーを見ると11の空きスペースがありますが、黒の石を置くことができるのは最大で8個です。8個の石を置くためには、斜線で示された3つのスペースは空いたままにしておく必要があるためです。

Meridians territory.png

上図の左上では、白の石がボードの角ではなく、縁の部分にあるため、(他のテリトリーがすべて埋まってしまったと仮定すると)この石の周囲の4交点は空いたままにしておかなくてはなりません。そのためここには7つの空き交点があるにもかかわらず、そのうちの3交点しか石を置く余地がないということになります。


テリトリーを埋める効率

上の例でみたように、テリトリーにパスを与えるための石、パスストーンは、空けて置かなければならないスペースは3つだけで済むため、ボードの角に置くのがもっとも効率がよいと言えます。それに対して、ボードの縁に置くと4つのスペース、中央になると6つのスペースが、テリトリーを維持しておくために必要になってしまうのです。


リビンググループ

先ほどの例では、白と黒のどちらもテリトリーの中に自分の石を1つ囲っており、対戦相手の石はその中にけっして割り込むことができないため、テリトリーをなしているグループは相手に捕獲されることがありません。このような敵の脅威を免れたグループのことを、ここではリビンググループと表現しておきます。

リビンググループを作りだす方法はこれだけではありません。下の例では、ゲームの序盤に白が黒の石を囲みつつ、パスストーンを1つそのエリアの中に置いていました。黒がこの白のグループを捕獲するためには、×でマークされた交点に石を置いて相手のパスを遮断しなくてはなりません。ところが、メリディアンでは敵の石の捕獲(除去)は自分の手番の開始時に行われるため、そのようにすると黒のグループはさきに自分のパスを失って捕獲されてしまい、逆に白にテリトリーを作らせてしまうことになるのです。

Meridians alive.png

この×印のような地点は、白にとっても黒にとっても石を置くことが不利になるという意味で、囲碁でいう「セキ」に似ています。黒のこの2つのグループは、白がほかのエリアでパスを確保しないかぎり、この小さなエリアで生存し続けることができます。またどちらのプレイヤーにとってもこのエリアにまだ石を置く余地があるため、一人のテリトリーではなく共有のエリアということになります。


リビンググループで最大のポイントを取る

先ほど見たように、ポイント(地、自分だけが石を置けるスペースを指す)を稼ぐためにもっともよいのは、ボードの角にパスストーンを置くことです。テリトリー内の安全な位置にパスストーンを置くことができていれば、リビンググループを伸ばしていって、敵のグループを含むエリアを囲んで捕獲することも可能になります。前の例では、白のメイングループは×印の「セキ」によって生存していましたが、ゲームが進んでそのグループの別の部分でテリトリーを確立することができれば、「セキ」になっている地点に石を置いて黒を捕獲できるようになるのです。

しかし一般的には、相手の石を含む複数のエリアを自分のグループで囲みつつも、パスストーンを置いてテリトリーを確立できないような場合は、相手の石を捕獲することによってポイントを稼いでいくことになります。つまり、セキによって生かしておかざるを得ない相手の石はなるべく小さいエリアに押しとどめておき、他の石はすべて捕獲する、ということです。

捕獲可能な敵の石は、捕獲された後は空白になるので、自分のテリトリーの1ポイントとしてカウントすることができます。この方法によって、自分が確立しつつあるテリトリーのだいたいの大きさを測ることができます。


効率性、ダブルパス、テンポ

一般的な戦略についてはまだ研究途上ですが、以下、ゲームをプレイしながら戦略を吟味し、どこに石を置くかを決めるのに有用になるかもしれない、いくつかのアイディアに言及したいと思います。


効率性

他の多くのゲームと同様に、序盤では効率的な手を打ちたいところです。もし一手で2つの事ができれば、一つの目的だけを持つ手よりも良い手だと言えそうです。例えばもし一手で自分のグループにパスを与える一方、敵のグループを脅かすことができれば、ただ防御的にパスを与えるだけの手よりも良いと言えるかもしれません(一方で強力な攻撃に打って出る前に防御的な手をうって準備するような場合もあるでしょうが、そういった点はテンポの節で触れます)。

- 以上により、攻撃と防御が同時に行える手や、自分が囲っているエリアを拡大しつつ相手のエリアを縮小する、あるいは相手のエリアに侵入しかかるような手が、効率的な手の候補となるでしょう。

- 効率的にポイントを稼ぐ方法はまずテリトリーを作ることですが、石は味方の石の視線上にしか置けないため、相手の石の視線を妨げる位置に石を置くことも、効率的にポイントを稼ぐ方法となります。

- 相手のポイントを奪うには、相手がテリトリーを作るより前に、そのエリアに自分の石を配置しておくことです。最終的にその石が捕獲されることになっても、ゲームの終盤に双方がそのエリアでプレイせざるを得なくなれば、うまくいけばそのエリアにおける相手のポイントを半減させられるかもしれません。これは逆に言えば、相手の石の侵入を許さずにテリトリーを確立させることには、石の侵入を許した場合に対して2倍の価値があるかもしれないということです。

- 自分のグループが少なければ少ないほど、それらが生きるために必要なスペースが減るので、特に小さいボードにおいては、グループの数を抑えてプレイするほうが効率的であるかもしれません。同様に、グループが少なく、パスストーンも少ないほど、自分のグループをつなげて相手のグループを切断することに集中できるでしょう。


ダブルパス

グループが捕獲されないためには別の石やグループからのパスが必要になるので、そのようなパスを(できれば前節に述べたような効率的な方法で)作ることが重要になります。もう一つの考え方は、相手がこちらのパスを遮断しにくい、あるいはパスを遮断するのにより手間がかかるような位置にパスストーンを配置するということです。

Meridians double path.png


上の例では、白の最後の一手によって、白の大きなグループへの2つのパスが同時に作り出されています。このような状態になれば、敵はパスを遮断するために2手必要になるので、白はその間にこのエリアの黒の石へ反撃を仕掛けたり、下方の2つの黒石を攻撃したりといったことを行う余裕が生まれます。 つまりダブルパスは、パスを相手に遮断されるという脅威に対して、手番的な余裕を得られるという点で強力なのです。


テンポ

メリディアンでもそれ以外のゲームでも、相手からゲームの主導権を奪うような手を打つことは有用です。これはときに「テンポを稼ぐ」といった言い方をすることもありますが、非効率な手や防御的な手を打つことは、テンポを失う、あるいは相手に主導権を与える手として捉えることができます。

前節の例では、白はダブルパスを作り出す手を打ちましたが、それによって主導権を相手に奪われることになります。しかし前に述べたように、黒が白のパスを遮断するためには2手かかるため、白が次の図のようにカウンター攻撃を行うと、黒は自分の石を救うために守勢に回るため、結局のところテンポを失うことになるのです。

Meridians crosscut.png

テンポに関連して役立ちそうなもうひとつの用語にクロスカットがあります。上図では、黒と白のそれぞれのグループが、どちらも同じ一点を通るパスを持っていることが示されています。このような形はメリディアンでは頻出するので(セキについての例でも登場しています)、名前を付けておくと便利でしょう。

クロスカットに関わっているグループの1つに追加のパスを与えることができると、それによってクロスカットを先に封鎖し相手のパスを遮断することができるようになるので有利になります。場合によっては、このような遮断によってテンポを稼ぎ、主導権を握ることもできるでしょう。

上の例を見ると、白のメイングループは2つのクロスカットに関わっており、仮に1つをカットされたとしても、もう1つが存在しているのでまだ安全だということがわかります。黒が白のメイングループを攻撃するチャンスを得るためには、これらのクロスカットの中にあるすべての自グループにパスを確保する方法を見つけなくてはなりません。したがって、これらのクロスカットを1つ以上作ることは、主導権を保持したり、(セキの場合のように)自分のグループを生かしておくための有効な戦術になりえます。

もう一つのアイディアは、犠牲によってテンポを稼ぐということです。ボード上のあなたの石すべてを守る必要は必ずしもないかもしれません。ゲームを通じて守勢を強いられているとき、自分のどの石が重要で、どの石がそうでないかを見極め、(攻撃されたときに)後者のいくつかを犠牲にすれば、反撃に出たり、より広いエリアを囲おうとしたり、あるいは相手が囲いつつあるエリアに侵入したりすることができることがあります。このような犠牲の方法は、次に述べるパイとして置かれた石にも適用できるかもしれません。

パイルール

メリディアンでは、先手(白)と後手(黒)のバランスを取るためにパイルールを使用することができます。パイルールはもともとこのゲームにはなかったのですが、先手プレイヤーが初手で中央付近に石を置き、その後相手に先行してプレイし続けることで有利になることが分かったため導入されることになりました。このルールを使用する場合、一方のプレイヤーがまずそれぞれの色の石を1つずつ配置し、他方のプレイヤーはどちらの色でプレイするかを選択します。

これが意味するのは、a)白が先手になることを念頭に置きつつ、どちらの色としてプレイしてもいいと思う位置に石を置く、b)白の先手の有利さとバランスを取るために、どちらの石にもそれぞれ何がしかの意味で不利と思われるような位置に置く、ということです。例えば、白の石をボード中央へ通じるラインからはずれる位置に置いたり、あるいは白が中央へ進出できても、そのパスへ石を割り込めるチャンスがあるような位置に黒の石を置く、というようなことになるでしょう。

つまり白の石をよりボード端に近く、黒の石を中央近くに置いていればバランスが取れている可能性がありますが、本当にそうかは実際の位置関係にもよります。アリーナで行われているゲームや、パイルールを使用しているトーナメントのゲームを見て、他のプレイヤーがどんなパイを試しているか確認してみると役に立つかもしれません。